マラソンをはじめ、運動すると乳酸が溜まるなどとよく聞くと思います。
しかし、その乳酸とは何かよくわからない方はたくさんいます。
そこで、この記事では、乳酸に学び、世間一般で言われている解釈が間違っていることも解説したいと思います。
マラソンで乳酸が蓄積するメカニズム
別の記事でも触れましたが、ATPの再結合の速度が、分解速度に追いつかなくなったとき、筋肉中に蓄えられたグリコーゲンや血中から取り込んだグルコースが分解される解糖速度は速くなります。
解糖されたときにピルビン酸ができるのですが、無酸素状態のときには、ここからは乳酸できます。
この乳酸がミトコンドリアに取り込まれると、酸化分解されていてもエネルギーは作られます。
ところが、こうした分解速度よりも解糖速度が速い場合、筋肉中に乳酸が蓄積してしまいます。
短距離走で考えてみればわかりやすいのですが、全力疾走している場合には酸素の供給が間に合わなくなります。
その結果、乳酸が蓄積してしまいます。
乳酸が蓄積されるか否かはミトコンドリアの機能によるところが大きいのですが、この機能をあげるためには定期的な運動が効果的ということが明らかになっています。
ベテラン選手のようにマラソンを続けてきた人は良いのですが、初心者はこの機能が低いのです…
そのため、時速6~7kmのランニング速度では乳酸が溜まり始めてしまい、その量はスピードを速めたら速めただけ多くなってしまうのです。
乳酸が疲労物質というわけではない
水素イオンが筋肉の知覚神経を介して反射的に交感神経を刺激すると、アドレナリンやノルアドレナリンというホルモンが分泌されます。
この水素イオンが蓄積されるということは、筋肉が酸性だということになります。
乳酸は酸なので、蓄積された結果、その筋肉は酸性に傾いているのです。
酸性化した筋肉によって分泌されたホルモンは心臓の鼓動を速め、結果的に呼吸が荒くなります。
激しい運動をした後には、動悸がして呼吸が荒くなるものですが、それはこうしたメカニズムによるものです。
これまで乳酸は、疲労物質の代名詞のように扱われてきました。
しかし、厳密には少々違うことを知っておきたいですね!?
実際に陸上競技の短距離をはじめ、1500mや10000m走でも同じことがいえるのですが、レース終了後には安静時の8倍以上といった乳酸が溜まります。
確かに乳酸は蓄積されていますが、同時に同量の水素イオンが生じています。
疲労の原因は、厳密には乳酸から解離してくる水素イオンなのです!
乳酸は骨格筋から血中へ移動し、このとき血液中にある重炭酸イオンが水素イオンを吸収します。
そして水と炭酸ガスへと代謝されるのです。
乳酸が過剰蓄積した場合、大量の水素イオンを生じるため、疲労の原因といわれています。
しかし、実際には適度な量であれば、実は燃えやすいエネルギーでもあり疲労の原因物質ではないのです。
マラソンによる筋肉痛と乳酸の関係性まとめ
いかがでしょうか。
ATPの再結合の速度が、分解速度に追いつかなくなったとき、筋肉中に蓄えられたグリコーゲンや血中から取り込んだグルコースが分解される解糖速度は速くなりますが、無酸素状態のときには、ここからは乳酸できます。
しかし、疲労の原因は乳酸ではなく水素イオンです。
このような知識がわかったところでどうなるわけではありませんがマラソン初心者の方は走る経験を積んで疲れにくい体を手に入れることを優先しましょう!