マラソンレース中のスタミナ切れを防ぎたいならエネルギーの作り方を理解するべき

人間は体内でエネルギーを作り出すスピードが消費に追いつかなくなるとスタミナが切れます。

そこでこの記事では、マラソンレース中にエネルギー切れにならないようにエネルギーを作り出すメカニズムを紹介したいと思います!

マラソンにおけるエネルギーを理解する前に知っておくべきことはメッツ強度

エネルギーを作り出すメカニズムを説明する前にランニングの運動強度はメッツと表されることを覚えてください。

これは時速とほぼ同じ考え方です。

例えば時速7kmで走るランナーの運動強度は7メッツ、15kmなら15メッツという具合です。

このメッツという単位が表すのは、安静時と比べて運動時のエネルギー消費が何倍なのか、というものになります。

よって、7kmで走っているときは7倍、15kmであれば15倍ということになります。

つまり、速いランナーほど莫大なエネルギーが必要となってきます。

こうしたエネルギーはもちろん体内で作られます。

これを理解するためには、そのメカニズムを知る必要があります。

マラソンにおけるエネルギーの仕組み

人が生きるためのエネルギーは、糖分と脂肪分によって作り出されます。

先ほどお話ししましたが、これを生理学的に説明すると、エネルギーは細胞内に貯蔵されている微量のアデノサン三リン酸(ATP)という高エネルギー化合物質が、アデノサン二リン酸(ADP)に分解されるときに得られます。

ATP1モル(570g)分解するためには7.3kcalのエネルギーが消費されます。

これはランニングをする際も同様なのですが、日常生活とは比較にならない莫大な量を必要とします。

 

 

そもそも人は、このATPをわずか100g程度しか貯蔵できません。

これは全力疾走したときに数秒で使い切ってしまう量です。

それにもかかわらず、フルマラソンのように長時間にわたって莫大なエネルギーを消費し続けることができるのはなぜでしょうか?

フルマラソンでエネルギーを消費し続けられる理由

人の体内には、クレアチリン酸(CP)と呼ばれる高エネルギーリン酸化合物が存在します。

このCPは、ATPが分解されると、これを補うためにその再合成に必要なエネルギーを供給しているのです。

ところがこのCPも、体内に貯蔵できるのはわずか200gと非常に少ないため、これを補充する役割の器官が必要になってきます。

そして、それを担っているのが、細胞内にあるミトコンドリアがエネルギーを生み出し、CPへと供給することになります。

ただし、これには個人差があり、酸素の運搬能力に左右されることがわかっています。

例えば時速18kmで走るランナーは、安静時の18倍の酸素を必要とします。

これだけの酸素量を供給するのは、初心者では難しいです…

そのため、エネルギー生産が間に合わなくなってしまい、スタミナ切れを起こしてしまいます。

スロージョギングのペースは非常にゆったりとしたものです。

そのため、ランニング中に必要とされる酸素量は決して多くはないです。

その結果、誰でもCPとミトコンドリアの連携がスムーズに行われてエネルギーを供給し続けることができるのです。

人は糖質であるATPは微量しか貯蔵できないですが、脂肪は蓄えておくことができます。

ミトコンドリアは、この脂肪をエネルギー化することもできます!

ハイブリッド車を例に説明すると、スピードに乗るまでは電池(脂肪分)を使い、アクセルを踏み込んで加速するなど力が必要なときにガソリン(糖分)が消費される、というイメージです。

要するにマラソンのペースは、このエネルギーの使い分けを考えることが大切です!

フルマラソンにおけるエネルギーの作り方まとめ

いかがでしょうか。

安静時と比べて運動時のエネルギー消費が何倍なのかの指標であるメッツ強度を把握しましょう。

そして、エネルギーは脂肪分と糖分によって作り出されることを把握することでフルマラソンでエネルギーを消費し続けられる理由がわかるはずです。

この記事を読んでマラソンにおけるエネルギーの仕組みを理解できたら幸いです。