フルマラソン完走には走るためのエネルギーを使い分ける必要がある!

人は多くのエネルギーを、体脂肪として蓄えています。

食物では、1gあたり9kcalが脂質のエネルギーですが、体脂肪の場合は水などを含むため、1gあたり約7kcalです。

体重が70kgで体脂肪率15%の人で考えると、体脂肪は10.5kgです。

エネルギーに換算すると73500kcalの蓄えがあることになります。

これに対して、糖であるグリコーゲンは肝臓に約100g、筋肉に約500gが蓄えられているだけなのです!

そこでこの記事では、走るためのエネルギーを使い分ける方法を説明したいと思います。

フルマラソン完走に必要なエネルギーは糖分だけでは足りない!?

人にとって、この糖はなくてはならないエネルギー源です。

例えば、脳神経のエネルギーとなるのは糖が主体です。

もちろん、走るといった爆発的な力を発揮するためにも、糖は必要不可欠です。

ところが、人体に蓄えられたグリコーゲンはわずか600g程度しかありません。

そのうち、肝臓に蓄えられたグリコーゲンは主に血糖維持と脳神経のエネルギーとして使われます。

そのため、実際に運動エネルギーとして使われるのは、残りの500g程度なのです。

これは、30kmを走れるかどうかという量のエネルギー源でしかないのです…

つまり、持ちあわせたグリコーゲンだけでは、フルマラソンの完走は難しいことになってしまいます。

フルマラソンで脂肪をエネルギーとして使える場合

もし10.5kgの脂肪を、エネルギーとして使えたらどうなるでしょうか?

ここでハイブリッド車を例に考えます。

ハイブリッド車は、電気で動くモータで加速し、速度が出てきたらガソリンエンジンに切り替えて走行するため、とても燃費が良いことで知られています。

人の体を動かす仕組みは、このハイブリッド車に例えることができるのです!!

電気で動くモータが脂肪、ガソリンがグリコーゲンにあたります。

先程話したように、体内に蓄えられたグリコーゲンの量は、せいぜい30kmを走れる程度のものです。

このグリコーゲンがが切れてしまうことが疲労の原因なのです。

そうであれば、ハイブリッド車さながらに、ガソリンであるグリコーゲンを節約し、脂肪をエネルギーとして使えれば、人のパフォーマンスは向上するはずです。

運動時にエネルギーに影響するのは最大酸素摂取量

人が運動するとき、このエネルギー配分に関係してくるのが最大酸素摂取量です!

一般的に、安静にしているときから最大酸素摂取量の50%までは、脂肪と糖がエネルギーを供給しています。

運動強度がこれを超え、増すにつれて糖依存症となります。

やがて80%になると、そこからは糖しか使わなくなるのです。

これをランニングに置き換えると、スピードが遅ければ脂肪を積極的に使うことになり、速ければ速いほど脂肪は使われずに糖が消費されます。

そこで、ニコニコペースは、最大酸素摂取量の50%程度の強度なので、脂肪を消費する、ということがポイントになります。

トレーニングを積んできたベテランランナーになれば、7080%程度まで糖の代わりに脂肪を使えます。

ニコニコペースとは、乳酸閾値で走るペースのことです。

つまり最も効率よく脂肪を使える速度であり、糖であるグリコーゲンを節約できる最大のスピードなのです!

これこそ、人の体をハイブリッド車の性能同様に使えるペースなのです!

マラソンのおけるエネルギーの使い方まとめ

いかがでしょうか。

フルマラソンを走るうえでは糖分のエネルギーだけでは足りません。

なので脂肪をエネルギーとして使えるようにしなければなりません。

その脂肪をエネルギーとして使うためには遅いペースで走る必要がありますね。

フルマラソンではなるべく前半に糖分を使わない走り方をしましょう。