マラソン初心者が速く走れるようになるには練習が大切ですが、体内のことを知ることで生かせることもあるのでこの記事ではそれについて説明したいと思います。
マラソンを速く走れるのは年齢が全てではない
まず、別の記事でも紹介しているニコニコペースとは、乳酸閾値で走ることを言いますが、この数値には個人差があるものです。
そこで初心者と、高齢のベテランランナーと比較してみましょう!
ある22歳の初心者のランナーの乳酸閾値を計測すると、時速6kmでした。一方ある68歳のベテランランナーは時速12kmでした。
なぜ高齢でもベテランは速く走れて、若くても初心者は走れないのでしょうか?この二人の違い、それは酸素摂取能力の違いにありました!
マラソンを速く走れるかは酸素摂取量の違い
この二人について、ランニングスピードに応じた酸素摂取量を比べてみると、時速10kmまではほとんど変わりがありませんでした。
ところがこれを超えると、初心者の方はそれ以上の酸素を摂取できなくなってしまいます。
一方ベテランランナーの場合は、時速20kmくらいまで酸素摂取量が増していました!
このそれぞれの酸素摂取量が頭打ちになった値を、“最大酸素摂取量”といいます。
この最大酸素摂取量を決めるのは、心臓から骨格筋に送り出された血液量と、骨格筋が消費する酸素の量です。
骨格筋に送り出される血液量は、心臓のポンプ機能と毛細血管の数によって決まります。
また、酸素の消費量はミトコンドリアの数に依存されます。
つまり、ミトコンドリアの機能が高まれば、ランニングスピードは速くなるといえるのです!
これには、アメリカ・ハーバード大学のスピーゲルマンのグループが発見したPGC-1αと呼ばれるたんぱく質が関係してきます。
マウスの遺伝子操作により、このPGC-1αが増加すれば、ミトコンドリアも増えることがわかったのです!!
また、このPGC-1αを増加させるのは、交感神経の興奮、エネルギーが膨大に使われたときに活性化するAMPキナーゼ、筋収縮時に放出されるカルシウムイオンにより活性化される酵素であることもわかりました。
このいずれも、運動強度が強いほど生じる物質であり、それをすることでPGC-1αが増加し、ミトコンドリア機能は高まるのです。
フルマラソンを走る上で覚えておくべきポイント
ニコニコペースとは、交感神経の興奮が始まる運動強度です。
つまり、PGC-1αの発現が期待されます!
そこで筋生検法による運動の前後でPGC-1αの有無は、ルンルンペースでは発現しませんでしたが、ニコニコペースでは発現したのです!
つまり、ニコニコペースというのは、ミトコンドリアの機能の向上が期待できる走法と裏付けることができるのです!!
マラソンを速く走れるようになるポイントまとめ
いかがでしょうか。
マラソンは若ければ若いほど有利とは言われていますが本当に大切なのは酸素摂取量です。
その消費量がミトコンドリアに起因します。
この記事を読んでマラソンを速く走れるようになると幸いです。