マラソンレース中の過剰な水分補給は危険!その訳を解説!

フルマラソンに初めて参加する初心者が気をつけなくてはならないのは熱中症や水分補給不足で起こる脱水症状だけではありません。

対照的に過剰な水分補給によって命を落とす危険性があるのです…

そこでこの記事では、マラソン大会における正しい水分補給について解説したいと思います。

マラソンレース中に過剰な水分補給をして起きた事件

その事例として、2002年に行われたボストンマラソンにおいて、28歳の女性ランナーが突然死する事故が発生しました。

その原因が低ナトリウム血症だったのです。

世界で最も歴史のあるボストンマラソンは、性別・年齢別ごとにかなり厳しい出場タイムが設定されており、なかなかエントリーすることが難しいものです…

市民ランナーにとって憧れの大会でもあります。

そのためランナーへのプレッシャーも大きく、ついつい頑張りすぎてしまう傾向があるかもしれません。

低ナトリウム血症とは

低ナトリウム血症は、水分の取りすぎによって血液中のナトリウム濃度が低下し、体内のナトリウム量に比べて水分量が多すぎる状態のときに起こります。

マラソン大会時の死亡要因として熱中症はよく知られていますが、実はこの低ナトリウム血症で突然死する人が最も多いのです。

倦怠感や頭痛、吐き気などが初期症状として現れ、重度になると痙攣や意識障害を引き起こし、やがて死に至るのです…

恐ろしいですよね。

アメリカのある研究者がボストンマラソンで行った調査によると、488人の出場選手中、62人が低ナトリウム血症に陥っていたという衝撃的な事実が判明しました。

そのランナーの傾向は、主に4時間以上かかった人、瘦せ型のい人であったといいます。

マラソンレース中の給水はほどほどに

長時間走り続けるということは、それだけランニング中に水分補給する機会も多くなります。

給水所ごとに立ち止まって、両手に紙コップを持って、水をガブ飲みしている市民ランナーをよく見かけます。

また、痩せ型の人と太めの人が同量の水分を摂取したとしても全体重に占める水分の割合は、痩せ型の人の方が多くなることから、血液中のナトリウム量は低くなる傾向にあります。

 

 

比較的エントリーのハードルが低い日本の市民マラソン大会では、4時間以上かけて完走するランナーが多いです。

また、総じて日本人ランナーは痩せ型の人が多いです。

さらには、日本の夏は高温多湿で熱中症にかかりやすいため、報道などで日頃から熱中症予防のためのこまめな水分補給を促しています。

このことから、日本のランナーは低ナトリウム血症に十分気をつけなければならないでしょう。

マラソンレース中の適切な給水量

では、どの程度の水分を摂取すると、低ナトリウム血症を発症するのでしょうか。

マラソン前後の体重変化で見ると、体重が増えるごとにリスクが高まる傾向にあります。

マラソンレース中の体重増加は水分を多く摂取したことが原因です。

 

 

マラソン中の適正な水分摂取量を割り出すためには、レース1週間前に1015km程度の距離を、水分を摂取せずに走ってみて、走る前と後でどれだけ体重が減少したかを測ってみましょう!

その減少量が体内から水分が失われた分なので、その量以内が適正な水分補給量となります。

マラソンレース中の給水まとめ

いかがでしょうか。

水分摂取は、熱中症予防面から大切ではありますが、取りすぎも低ナトリウム血症を起こすリスクがあります。

自分の適正な水分補給量を知り、上手に水分補給をコントロールしましょう!

また、水分補給をすること完走タイムが遅くなるので、なるべく給水所に立ち寄る回数を減らしたいものです。

私自身はフルマラソンでは給水所に立ち寄りますが、ハーフマラソンや10kmでは、給水所に立ち寄らないようにしています。