体を動かすのは筋肉である以上、マラソンにも筋力は必要不可欠なものと言えます。
当然、速く走るためにも、ある程度の筋力は必要となります。
ただ、近年見かけるような筋トレと呼ばれるものには、マラソンにおいては大きな意味合いはないと考えられます。
むしろ、マイナス面の方が大きくなる場合もあるので注意する必要があります。
そこでこの記事では、マラソンをするにおいて筋トレをする必要がない理由を解説したいと思います。
マラソンの練習にベンチプレスは必要ない
大胸筋や上腕二頭筋を鍛えるためのベンチプレスは、胸板が厚くなり腕も太くなるので、ランニングする際の腕振りに役に立つのではないか、という意見もあります。
ところが、筋肉というのは非常に重いため、上半身の重量アップになり体重は増加します。
これではランナーへの負担が増加するだけですね!!人は日常生活の中で、腕振りに必要な筋肉を身につけています!
また、走るときに腕振りを意識するということは、拳を握ることにもつながり、上半身の力みを生み出すことにもなります。
このことは、本来リラックスすべきランニングの基本から大きく外れることになるのです。
では、下肢の筋トレなら問題ないのかと言えば、これもまた間違いと言えます。
レッグカールやレッグエクステンションのような筋トレは、大腿筋を鍛えるためのものですが、これが大きくなるというこは股関節の屈曲運動を阻害しています。
人は走るとき、膝を上げて大腿部を前に振り出します。
この動きを司るのは大腰筋と腸骨筋なのですが、これらは大腿骨の内側で股関節のすぐそばに位置しています。
筋トレをして大腿筋が大きくなるということは、稼働する股関節から遠く離れた膝に重りがあるのと一緒なのです!!
テコの原理からしても、大腰筋と腸骨筋に大きな負担がかかってくることになるのです。
ふくらはぎの鍛えすぎもマラソンにはよくない
ふくらはぎを鍛えすぎこともまた、ランニングを阻害することになります。
ふくらはぎの筋肉は、地面を蹴るためのものです。これはランニングフォームにも通じてきます。
これまではかかとで着地し、フォアフット(足指の付け根)で地面を蹴ってプッシュするという考えが多かったのです。
しかし、これはいわば2段階モーションのようなものであり、着地したときに一旦ブレーキがかかるイメージです。
こうしたことを踏まえると、地面を蹴るフォアフットのみの接地の方が効率的と考えられるでしょう。
この考え方に到達したのには理由があります。
それは、イギリスのオックスフォード大学の生化学者ニューシュホーム博士のホッピング理論です。
ホッピング理論はマラソンに通ずる
動物を見ると理解しやすいのですが、彼らのかかとは脚部のかなり上部にあります。
そのため、全く接地しないのです!
カンガルーがその最たる例なのですが、長いアキレス腱と発達した大腿四頭筋を使い、効率よく走ります。
引き伸ばされた腱は、バネのように反射的に縮もうとします。
ランナーも、このバネ効果と筋肉が引き伸ばされることで得られる弾性エネルギーをうまく使えば、同じエネルギーでさらに速く走れます。
しかし、腹筋を鍛えることは必要です。
そこで以下に大迫傑選手の記事で紹介したおススメの腹筋トレーニングに類似した動画を紹介します。
こうした理論からも、いかに効率よく筋肉を使うかが大切であり、鍛えて肥大させることには大きな意味はないと言えますね!
まとめ
いかがでしょうか。
マラソンを極める場合は必要以上に筋トレをしなくてもいいです。
最も効果的な筋トレは腹筋です。
脚の筋肉は当然ですが、その他に鍛えるべき部位は腹筋、体幹です。