マラソン初心者のあなたは という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
その言葉を聞いたことがなくても、テレビでレースを見ていれば、その勝負どころは30km付近ということに気づくのではないかもしれません(笑)
この30kmというのは、人の体内に蓄えられたグリコーゲンをエネルギーとして走ることができるおおよその距離と一致します。
つまり、グリコーゲンの使い方次第で、ランナーはスタミナ切れを起こし、その分かれ目となるのが30km付近ということになります。
そこでこの記事では、フルマラソンにおける30kmの壁の対策について解説したいと思います。
炭水化物を摂取した際としなかった祭で疲労度比較した研究があった
スウェーデンのカロリンスカ研究所には、運動前の食事内容と疲労の関係を研究した結果があります。
被験者を二つのグループに分け、片方は炭水化物中心の食事を数時間摂り、もう片方のグループでは、脂質たんぱく質中心の食事を摂り、同じ強度の運動を疲労で体が動かなくなるまで続けてもらうというものです。
この結果、前者の炭水化物中心のグループでは、後者の運動持続時間の約3倍を示しました。
このことから、糖の代謝と疲労の関係を明らかにするために、1960年代から筋生検法という画期的な研究を始めました。
この方法は、円柱状の針を骨格筋に差し込み、筋肉の小片を摘出します。
そこに含まれているグリコーゲン濃度を調べるというものでした。
こうした研究の結果、長時間の運動で疲労したときには、グリコーゲンが枯渇していることが判明しました。
マラソンを走るとき、そうした枯渇状態にならないためには、グリコーゲンを節約しながら走らなければいけません。
30kmの壁を乗り越えるためにはグリコーゲンの節約が必要
そこにはレースのペースが密接に関係してきます。
そこで、2013年に行われた福岡国際マラソンで、2時間21~24分の自己記録を持つ4選手のペース配分を比較してみました。
最も自己記録が遅い選手のタイムは2時間24分台、他3選手は2時間21~22分ですが、結果は最も自己記録が遅い選手が最初にゴールしました!
2時間21~22分で走ることができる他3選手に共通していたことは、最初からハイペースで走っていることです!
ハイペースで走ると常に糖をエネルギーとして使いますが、ある程度のスピードまでは糖を使いつつも、ペースが安定してからは脂肪をエネルギーとしたということになります。
つまり、糖を使い切った3選手は、グリコーゲンが枯渇し、いわゆるガス欠状態になったのです。
フルマラソンでの30kmの壁対策まとめ
いかがでしょうか。
こうしたグリコーゲンの枯渇への対策として、運動する数日前に炭水化物の摂取を積極的にするという方法があり、筋肉のグリコーゲンが3倍に増えたという結果が出ています。
グリコーゲンローディングと呼ばれるこの方法は、エネルギー源のガソリンの役割を果たすグリコーゲンの溜め込みを見込むというものです。
今ではレース前に、選手たちが積極的に取り入れている方法の一つです!!